EVA IF
第十八使徒──リリン
「やあぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!」
エヴァ零号機及びエヴァ初号機パイロット──ファーストチルドレン碇レイが駆る紫の鬼神──エヴァ初号機がその右手に持つ、ナイフを第三使徒サキエルの胸に光り輝く、球体に突き立てる。
初号機を巻き込む第三使徒サキエルの自爆。
第三使徒サキエル殲滅。
第三使徒サキエルの自爆によって、戦闘での被害も合わさり、初号機は中破。
それに伴い第三東京市の一角が消滅。
付近のシェルターが一部破損。
多数の死傷者を出すものの、人対使徒の戦いに於いて初の勝利を収める。
「くっ! このぉぉぉおう!」
アンビリカブルケーブルを切断され、時間という名の制限をうけられつつも、第四使徒シャムシエルを先の第三使徒同様、使徒の動力源──S2機関と思われる光球(コア)にプロレシッグナイフを突き立て、使徒殲滅。
エヴァ弐号機パイロット──セカンドチルドレン惣流・アスカ・ラングレーのクラスメイトである、鈴原トウジ、相田ケンスケらがシェルターを抜け出すものも、セカンドチルドレンとネルフのナンバー4であり、技術部副部長──赤木博士の咄嗟の機転と、ファーストチルドレン碇レイの養父母である、碇夫妻の実子で、碇レイの義兄──碇シンジの行動により、避難成功。
これにより、弐号機は第四使徒シャムシエルに特攻をかける形となり、腹部を小破。
今回の戦いは被害は先の戦いより少ないが使徒、エヴァ両者共にギリギリでの戦いであったため、あくまで勝利は偶然のものに過ぎない。
しかし、このギリギリの戦いのお陰で、使徒が自爆するのを未然に防ぐことができ、ネルフは使徒のサンプルを入手することができた。
尚、鈴原トウジ、相田ケンスケらは戦闘の妨害をしたことより、ネルフより説教と勧告を受け、五日間の謹慎処分を言い渡された。
碇シンジも結果的にシェルターを抜け出したことにより、三日間の謹慎処分に処せられた後、謹慎処分の翌日、エヴァ零号機及びエヴァ初号機パイロットの予備として、サードチルドレンに登録。
なお、今回の一件でシェルターの改良工事が行われる事となる。
「きゃあああああああああああああああああっ!」
第五使徒ラミエルの出現に伴い、初号機より先行的に修理が終了した零号機が出撃するも、第五使徒ラミエルの超々距離からの陽電子砲による狙撃によって、回収されるまでの十五秒間もの間、陽電子砲を受けた結果、零号機は胸部を大破。
パイロットでもある碇レイも一時は、心臓停止までなるが、医療班と養母であり、ネルフ副指令兼技術部部長である碇ユイの必死の治療により持ち直すが、これにより零号機共に碇レイも戦線を離脱。
残すは、初号機と弐号機だけとなったが、戦自研より徴発した試作自走陽電子砲を大出力のポジトロンライフル改良し、超々距離からの狙撃を行う「ヤシマ作戦」が決行される。
「ミスった!」
日本全国より、集められた一億八千万キロワットに及ぶ電力による撃ち出された砲撃は、初弾をはずす。
ネルフ側が撃つよりも早く、即座に撃ち放った二撃目の陽電子砲を思わぬ形で初陣を果たすこととなったサードチルドレン、碇シンジは周りの予想を大きく裏切り機敏な動作により、シャトルの底より作り出された『盾』よって、使徒の一撃から弐号機を死守する。
「シンジ!」
初号機の活躍により、充電を終え、撃ち放たれた陽電子砲の二撃目は見事命中、使徒殲滅。
結果、使徒の陽電子砲から狙撃機である弐号機の盾となった初号機はまたもや中破し、日本全国より一億八千万キロワット大電力を二度に渡り無理やり使用したため、全国各地でそれに伴うトラブルが多発したが、一週間後には復旧を果たす。
なお、零号機に続き初号機までもが戦線を離脱したため、マルドゥック機関の報告書によりフォースチルドレンに選らばれた鈴原トウジが新たにチルドレンに加わり、ドイツで建造されていたエヴァ参号機が近日中に海路を通してネルフ本部に搬入されることとなる。
「おんどりゃあああああああああああああああっ!」
フォースチルドレン鈴原トウジの言葉に反応するかの如く、参号機の両目が輝き、第六使徒ガギエルの口を、広げる。
そこに、太平洋艦隊の戦艦が突っ込み、直接使徒の内部に砲弾を浴びせる!
ドン! ドン!
使徒の身体が数倍に膨れ上がり、
ドォォオォォォオォォォォオォォォォオォン!
自爆。
盛大な水飛沫が上がり、それと共にエヴァ参号機も、空母に着地。
エヴァ参号機、活動停止。
この戦闘によってエヴァ参号機は腹部を小破し、太平洋艦隊の七割が壊滅。
多数の死傷者を出す。
なお、使徒が太平洋艦隊を襲ったのは、ドイツよりネルフ本部に輸送中であったエヴァ参号機を狙ったためと予想される。
追記であるが、作戦部長──葛城ミサトは突然の初陣でありながらその力を遺憾なく発揮したフォースチルドレン──鈴原トウジを絶賛。
鼻の下を伸ばした鈴原トウジに、マルドゥク機関より新たに報告されたチルドレン候補のリストの一人であり、チルドレンのクラスの委員長である、洞木ヒカリの一撃を貰い、全治二週間の怪我を負う。
「硬貨ベークライトで固めてありますが生きています」
まるで血が凝固した印象が受ける結晶のようなものの中で、人間の胎児のような生き物はその言葉に反応するかのようにピクリと蠢く。
「最初の人間。アダムよ」
笑顔を浮かべたまま、碇ユイは加持リョウジに言った。
「レイ!」
「アスカ!」
青と赤の巨体が宙を舞い、合わせ鏡に映った虚像の如く全く同一の姿をした第七使徒──イスラフェルのコアに鏡に映したの如く、右足、左足から繰り出された飛び蹴りが見事に決まり、使徒殲滅。
「もういい」
硬質的な声が響き、映像が途切れる。
「流石は、碇夫妻といったとことか。シナリオ通りにことが運んでいる」
「しかし、これは運びすぎているのではないか?」
次々にそれぞれ異なるナンバーのモノリスが現れ、発言する。
「左様。シナリオの遅延が認められないがネルフに些か力が集まりすぎている」
「碇ゲンドウ、碇ユイ。何れかを消しておけば問題なかったのではないのか?」
「いや、どちらかが欠けた場合、シナリオの遅延が現れる可能性と造反されるおそれがあった」
「しかし、碇の造反はまず間違いない」
「確かに」
「そもそも、あの碇に組織を任せたのがそもそもの間違いなのでは?」
「あのツガイではなくては、シナリオは遂行できなかった」
「何れにしろ、碇の造反ををいかに対処するかが問題だ」
「これでは我々の計画の崩壊の危険性まで出てくる」
「全ての使徒を葬り去った今となっては、計画の遂行に一刻の猶予もない。全ての鍵は碇が握っている以上は何としても、迅速且つ有効な手をうたなければ」
「あの赤木リツコを此方に引き込むのは?」
「無駄だ。例え赤木リツコを此方に引き込んだとしても、あの碇ユイがいる限りそれは意味がない」
「その通り。MAGIは赤木親子、碇ユイの合作だからね。製作者の一人を抱きこんだとしても、一番重要な部分に関わった人物が向こうにいては意味がないよ」
「世界各国より、MAGIのコピーによる同時ハッキングの後に戦略自衛隊、エヴァ量産機による物理的占拠しかあるまい」
「「「「「「「「「「「……………………………」」」」」」」」」」」
『01』と描かれたモノリスの言葉に、他のモノリス達は黙り込む。
「碇め、何を考えておる」
その発言は、この場に居合わせているもの達の心境そのものであった。
「いよいよ、老人どもが動き出す」
「そうね。次の会合の時が決別の時ね」
組織の最上位にいる男の言葉に、その組織において右腕を務める、男の妻が応じる。
「しかし、ユイ君。本当にこれで良かったのかね?」
「仕方がありませんわ。冬月先生」
「人類が満たされるにはこの方法しかない」
「その代償がアレでは……………」
「仕方ありませんわ」
「うむ………………………」
(何時からだろうかな、ユイ君に対する想いが冷めたのは……………)
鈴の音が鳴り響く中、それは静かに佇んでいた。
「遂に約束の時が来たか………………………」
それは眼下に覘く第三新東京市を見下ろしながら、感慨深く呟いた。
「レイ! シンジ! 学校に行くわよ!」
「待ってよ、アスカ」
慌てて靴を履くレイに対し、アスカは、
「何言ってんの! このままじゃ遅刻よ」
「でも〜」
アスカの言葉が正論であることが解っているために、反論できないレイ。
「仕方がないわね、レイもシンジも。折角、アスカちゃんが迎えに来てくれているのに」
「そうだな」
ユイの言葉にゲンドウが相槌を打つ。
「あれ? シンジは?」
「知らない。朝起きたら居なかったよ」
「ふ〜ん」
レイの言葉にアスカは首を傾げる。
妹思いの幼馴染の少年が自分や妹を置いて先に学校に行ったことに、何か引っかかるものがあったのだ。
「愛しの人が居なかったのがそんなに寂しい?」
「何言ってんのよ!」
口元に笑みを浮かべつつ、ジト目で問いかけるレイに対し、即座に否定するアスカであるが、顔が真っ赤になっているので説得力が皆無である。
それを気づかれまいと、畳み掛けるようにアスカは声を張り上げる。
「詰まんないこと言ってないでさっさと行くわよ。レイ!」
「ふ〜ん。そういうことにしといて上げますか」
「アンタって子は」
素早く両手でレイの顔つかむと、梅干を決める。
「は・や・く・行・く・わ・よ」
「痛だだた」
地味な技であるが、対象に対しては、効果大。
「おばさま。行ってきます」
「アスカぁ、痛いって」
涙目のレイの顔を無視して、アスカはニッコリとユイに挨拶をする。
「行ってらっしゃい」
こちらも、涙目のレイの顔を無視して、アスカにニッコリと挨拶を返し、二人の姿を見送った。
「痛いよ、アスカ」
「アンタが悪いんでしょ、全く」
涙目で額を押さえるレイにアスカが無碍な言葉で返す。
遅刻間際なので両者共にかなりのスピードで走っている。
「それにしても、シンジの奴どうしたのかしら」
「全く、お熱いことで」
「いい加減にしなさいよ」
「ぶ〜。確かにお兄ちゃん、変だよね今までこんな事なかったのに」
「でしょ?」
「学校、行ったら問い詰めてみよう」
「そうね」
この時、二人はまだシンジが自分達の味方であると思っていた。
そして、平穏な時は既に失われていることに気づくことはなかった。
あとがき
短編モノの前編上がりました。
久々にSSを書きましたよ。ホント久しぶりに。
眠いし、疲れたし。
さて、掲示板の方でも書いたんですけど、大体週間で不定期のSSの投稿と、月間の定期投稿。皆様はどちらの方が宜しいと思います?
正直、言いますけど、週間ですと、内容が当然の事ながら短くなりまし、不定期にもなります。
対して月間だと定期でSSの内容が長くなりますけど、その分、直ぐに投稿することが出来ず、作品の間に間が空きます。
どちらが良いでしょう?
ご意見をお聞かせください。
よろしくお願いします。
あと、これの作品に関係することなのですが、実は自分は「鋼鉄のガールフレンド」を一度やったかやらなかったと曖昧な状態です。
後編にだけではなく、「鋼鉄のガールフレンド」のキャラを自作品に出したいと思っているのですが、手元に資料がないためと揃えられない為、それが叶いません。
どれか宜しければ、内容とキャラの特性とキャラのフルネームを教えてください。
ネットのSSで調べてみたら、名前が微妙に違ったり、書き手の方が変わられると、キャラの性格もかなり違ってくるので客観的な見方で教えてください。
重ね重ねお願いします。
因みに書き方も昔風に戻してみました。
そちらの意見もお願いします。
では。
02/10/19 成(アキ)