レズルタート
「まさか君が直接動くとはな」
「仕方がありません。災厄が『約束の地』に訪れた以上は動かざる得ません」
壮年の軍服を身に包んだ男に青年はにっこり微笑みを浮かべ、返す。
「それにあそこには個人的な思い出もあるんですよ」
「そうか。ならば気をつけて。シンジ准将」
「は! 閣下もお元気で」
壮年の男性に青年は見事な敬礼を行い、背を向けて国連直属のヘリへと乗り込む。
「出してくれ」
「…………解りました」
ヘリのパイロットはヘリを浮上させ、目的地へとヘリを飛行させる。
向かう先は───約束の地、第三新東京市。
「いい気なもんね。こんなご時世なのに国連のお偉いさん方もよくあんなものの建造を許したものね」
「仕方がありませんよ。いまや自衛日本軍の力は世界規模に影響を及ぼすほどのものですから」
上司の愚痴に、部下であるメガネをかけた純朴そうな青年は気遣うように言った。
彼の名前は、日向マコト。国連直属特務機関NERVのネルフ中央作戦司令司令部作戦局第一課所属の、オペレーターである。
「ほんと、巫山戯たもんね」
そして、さっきから自分の部下に愚痴を言っている上司であるこの女性は───ネルフ本部戦術作戦部作戦局第一課所属の作戦部長である。
因みに階級は、日向が二尉。ミサトが一尉である。
「んで、そのお偉いさんの一人がこっちに来るのよ。迷惑はだはだしい」
「一応、視察が名目になっていますけど、実際はどうでしょうね」
「ふん、本当に人類の危機ってもんが解ってるのかしら」
建造が完成しつつある円柱状の建物のを見据え、はき捨てた。
「久しぶり───と言うべきなのかなこのような場合は……………」
「准将閣下は此方(第三新東京市)に来たことがおありなのですか?」
青年の呟きに隣の男が不思議そうに問う。
青年は、チラリと外を見ていた視線を男に向ける。
目が語っていた。
心酔の色に滲ませた瞳の中に、あの碇シンジの関わりのある場所なのかと。
「まぁね、ここは思い出深い場所なんだよ」
視線を外へと戻し、青年は感慨深げに言葉を続ける。
「色々とね。辛いことしかなかったけど、此処に来るとどうしても懐かしさが先に来る」
「准将閣下にとっては此処は故郷なのですか?」
「そう、此処は故郷だ。俺の第二の故郷だ。………そして、俺の自衛日本軍、碇シンジ准将の始まりの地だ」
「此処が、ですか?」
「そうだ」
「ならば、一層、愚物供の排除をしなければなりませんね。特に准将閣下と同じ苗字と言うだけでも畏れ多い碇ゲンドウのクズに。そして、それが支配するネルフの人間供に相応の罰を与えませんと」
「……………そうだな」
男はヘリポートで待つ、団体の中の礼服を纏った女を見据え、呟くように言った。
「来たわね。一応、言っておくけど連中が気に食わないからと言って粗相がないようにね。後で難癖つけられたら面倒だから」
振り返り、ミサトは部下に指示を出す。
「「「は!」」」
上官の命を受け、敬礼を行い返事を返す。
「一番心配なのは貴方でしょ。葛城一尉」
「っ! そんなことしないわよ。赤木博士」
「だと良いわね」
ミサトに揶揄するように言ったのは、ネルフ本部技術開発部技術一課所属、赤木リツコ博士。エヴァンゲリオン開発責任者でもあり、ミサト以上にネルフの秘密事項を知る数少ない人間の一人である。
「来ました!」
「気を付けっ!」
日向の声にミサトは反応し、鋭い声を上げる。
それによって、ただでさえ確りしていた一団の姿勢が格段によくなった。
要人を乗せたヘリが、中に乗っている人間が視認可能なぐらいまで近づき、辺りに暴風のような風を起こしながら、ヘリはヘリポートへと着地を行う。
ギュっっと鈍質な的な音をたて、ヘリの足が地面に接触した。
プロペラの回転数が下がると供に、風が徐々に弱くなり、そして、風が止む。
それに伴う形で、ミサト達の緊張も高まる。
ドアを開け、中年の男がヘリから降り立った。
しかし、ミサト達は反応しない。
ここで反応するわけには行かないのだ。(点)
反応するべき相手は、次に降りてくる人物である。
今此処で敬礼なんぞしてしまえば、今から降りてくる人物に対して、非礼に当たるからだ。
「どうぞ」
「ああ、ありがとう」
その声と供に青年───碇シンジがヘリより降り立つ。
「敬礼っ!」
ざっと音をたて、何の号令もなしに一斉に敬礼を行う。
ミサトは碇シンジの前に立つと、敬礼を行う。
そして、自分が何者であるのか、名乗る。
「始めまして碇准将閣下。自分は国連直属特務機関ネルフ本部戦術作戦部作戦局第一課所属、葛城ミサト一尉であります。本施設のご案内は碇ゲンドウ総司令、冬月コウゾウ副司令に代わり、同じくネルフ本部技術開発部技術一課所属、赤木リツコ博士が務めさせて頂きます」
「了解した。葛城一尉。よろしく頼むよ」
ゆっくりとした動作で碇シンジは、敬礼を返す。
「はっ!」
あとがき
懐かしいものを見つけました。
自分が書いた特務機関もののSSの序章です。
いや〜、パソコンのバックアップデータを探していたら面白いものが見つけることができたのは、日頃の整理整頓が出来ていない自分の所為? それとも日頃の行いがよいから? どちらでしょうね、この場合。
一応、予め言っておきます。
続きません。
以上です。
追伸 因みに修正をいくつか加えました
が、改行は等は昔のままです。
追伸2 ウイルス感染の感想メールは寄越さないでください。
嬉しくないです。迷惑です。不快なだけです。
追伸3 逆ギレしないでください。
こっちもキレます。投稿が遅れます。
では。